遺言書には財産目録なしでも無効にはなりません。
しかし、財産目録があることで相続トラブルを防ぎ、相続手続きをスムーズに進めることができます。
ここでは財産目録とは何か、財産目録の作成方法についてご紹介します。
財産目録とは
財産目録とは
財産目録とは預貯金や不動産など被相続人が所有している財産を一覧にしたものです。
特に決められた様式はなく、好きな書き方をして問題ありません。
遺言書に財産目録を添付することは必須ではありません。
財産目録が無くても遺言書は有効となります。
財産目録がなかったらどうなる?
上で述べた通り、財産目録が無くても遺言書が無効になることはありません。
しかし、財産目録がないとさまざまなリスクが発生します。
まず、相続人が財産を把握しきれないケースがほとんどのため、
被相続人の財産調査をすることになりますが、財産が多種多様の場合大変な手間と時間がかかります。
次に相続人同士で他にも財産があるのではないか、と疑われて相続トラブルになる可能性もあります。
無事に相続人同士で遺産分割協議が成立しても後日新たな遺産が発見されることで
再び遺産分割協議を行わなければならなくなる場合もあります。
また、相続税の申告済みであれば申告内容の修正も必要になります。
このように財産目録がないと相続人の手続きが煩雑になり、手間がかかります。
財産目録がないことで起こるリスクやトラブルを避けるためにも財産目録は作成することが望ましいでしょう。
財産目録の書き方
自筆証書遺言の法改正で財産目録の書き方が変わった
平成31年1月13日施行の民法改正で、自筆証書遺言に関する書き方が緩和されました。
これまで、自筆証書遺言を作成する場合、全てを手書きで書くことが義務付けられていました。
遺言書だけではなく財産目録まで全て手書きが求められ、
書き損じた場合も修正ルールに基づいて修正しなければならなかったため、非常に手間がかかる作業でした。
その面倒さから自筆証書遺言が作成されるケースが少なく、
相続トラブルが多発する状況を変えるべく、財産目録のルールが緩和されたのです。
法改正では財産目録は手書き以外でも認められるようになりました。
パソコンでリストを作成し、プリントアウトしたものに署名押印すれば財産目録として認められるほか、
財産を把握できるもののコピーに署名押印して添付すればそれで財産目録と認められるようになりました。
財産目録の書き方
実際に記載する財産の内容は預貯金、所有している不動産、株式、生命保険、借金、定期的な収入支出などです。
財産については間違いなく特定し、その財産について詳細な記載が必要です。
例えば土地と建物という表記では足りず、その家の所在地や家屋番号、
土地の地番、地積等も記載するようにしましょう。
特に定められた様式はないため、箇条書きでも表になっていても構いません。
また、預貯金や不動産についてはわざわざ財産目録を作成しなくても
通帳のコピーや「不動産全部事項証明書(投機謄本)」を添付するだけでも問題ありません。
出来上がった財産目録は遺言書本体にホチキス等で綴じておきます。
これは必須ではないものの、法務省でもきちんとつなぐことが推奨されています。
バラバラでは自筆遺言書では要件を満たさない可能性があるために
一体のものであると誰が見ても分かるように保管しておきましょう。
相続の専門家に相談しながら作成すると間違いを防止できる
遺言書の財産目録とは何か、財産目録の書き方についてご紹介しました。
法改正で作成しやすくなったとはいえ、
自筆証書遺言と財産目録は定められた書式に則っていなければ無効となってしまいます。
遺言書と財産目録の作成の際には行政書士など相続の専門家に相談しながら作成することをおすすめします。