遺言書の内容変更をしたい場合の手続の流れと注意点
一度遺言書を作成したものの、内容を撤回したり変更したいという場合もあるかと思います。
その場合の内容変更方法を、自筆証書遺言書、公正証書遺言書それぞれご紹介します。
■遺言書の内容の変更(撤回・修正)は可能か
遺言書は相続が起こるまで、つまり遺言書作成者が亡くなるまではいつでも変更が可能です。
それは、遺言書が効力を発揮するのは遺言者が亡くなった時からだからです。
公正証書遺言→自筆証書遺言により変更も可能となります。
■自筆証書遺言の変更・撤回の方法
自筆証書遺言の内容を変更したり撤回する場合は新しく遺言書を作成し、
その遺言書の中で遺言の撤回したい部分を「撤回する」と明記します。
新しい遺言書に明記されることで、前の遺言書は撤回したものとみなされ、内容が取り消しされます。
*一部のみを変更する場合
遺言書はできるだけ新たに遺言書を作成し直した方が良いのですが、一部のみを変更することも可能です。
変更方法は、
①遺言書の変更したい部分を二重線で消す
②訂正印を二重線の近くに押捺(遺言書の署名に押した印鑑を使用する)
③変更内容を訂正箇所の近くに記載
④署名する
となります。
訂正方法が間違っていると、訂正が無効となりますので注意が必要です。
■公正証書遺言の変更・撤回の方法
公正証書遺言の変更・撤回の方法には
・公証役場での撤回手続き
・新しく遺言書を作成する
の2つの方法があります。
新しく遺言書を作成する方法は自筆証書遺言書の変更・撤回の方法と同様です。
新しく遺言書を作成することで、古い遺言書と内容が抵触する場合は古い遺言書を撤回したとみなされます。
*公証役場での撤回手続き
公正証書遺言書は公証役場で撤回・内容変更することが可能です。
公証役場での撤回は実印と印鑑登録証明書(3カ月以内)を用意し、
遺言書を作成した時と同様に証人2名の前で公証人に対して公正証書をなかったことにしたい旨を述べ、
公正証書に署名捺印します。
■遺言書の内容変更をする際の注意点
遺言書の内容変更・撤回の際にはいくつかの注意点があります。
*撤回した遺言の再度撤回は不可
前に撤回した遺言の撤回を撤回、つまり元の内容に復活させるということはできません。
このような場合は新たに遺言書を作成する必要があります。
*新しく作成した遺言が無効になってしまうリスクがある
遺言書の内容変更・撤回をするために新しく遺言書を作成した場合、
遺言書の要件を満たしていなければ無効となってしまうリスクに注意が必要です。
変更した遺言書が無効になった場合、前の遺言書の内容が有効となってしまい、
遺言書の変更・撤回が意味を無くしてしまいます。
■遺言書の保管方法
公正証書遺言は遺言書の原本が公証役場に保管されます。
公正証書の保存期間は公証人法施行規則により20年となっており、
特別の事由により保存の必要があるときはその事由のある間は保存しなければならないと定められています。
遺言公正証書はこの「特別の事由」に該当すると解釈されており、
公証役場によって半永久的に保存している場合や遺言者の生後120年間保存している場合もあります。
自筆証書遺言の保管方法は自分で自宅に保管するか相続人に預ける方法や、
法務局の保管制度を利用して法務局に預ける方法があります。
自筆証書遺言は、見つけてもらえないリスクや誰かが開封してしまうリスクがありますので、
保管制度を利用するとトラブルを防ぐことができます。
■遺言書の作成は専門家に相談すると安心
遺言書の内容変更・撤回の方法と注意点について解説しました。
自筆証書遺言書では、遺言書の一部変更や新たな作成の際には、
定められた要件を満たしていないと変更内容が無効となってしまいますので、注意が必要です。
確実に自分の意思を遺すためには、
行政書士などの専門家に遺言書の作成をサポートしてもらうと相続人による相続手続きもスムーズになります。
内容変更だけでなく、簡単な遺言内容であっても一度相談しておくと安心です。