遺言書が存在する場合の土地の相続登記手続きと注意点
土地や建物など不動産の所有者を、亡くなった人から相続する人に名義変更する手続きを相続登記と言います。
相続登記は遺言書がある場合とない場合で必要書類や手続きが異なります。
ここでは、遺言書がある場合の土地や建物の相続登記の手続きについて解説します。
遺言書による相続登記の必要書類
遺言書による相続登記の必要書類は以下となります。
遺言書
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認を経る必要があります。
戸籍謄本(除籍謄本)
被相続人と相続人それぞれ必要です。
被相続人のものは被相続人の死亡の記載のあるもの、相続人のものは被相続人の死亡日以降に発行されたものが必要です。
住民票(除票)
被相続人の住民票は死亡によって除かれた住民票(除票)が必要です。
また、戸籍の除附票でも可能です。
相続人の住民票は戸籍の附票でも可能です。
固定資産評価証明書
登記申請時の年度の証明書が必要です。
登記申請書
登記申請書は申請人が作成します。
法務局のホームページからひな形をダウンロードできます。
相続登記にかかる費用
相続登記には登録免許税がかかります。
登録免許税は原則として
固定資産税評価額×4/1000
となります。
そのほか相続登記では、登記申請時に必要となる戸籍謄本や住民票などの取得手数料もかかります。
相続登記の注意点
自筆証書遺言書は検認が必要
遺言書が自筆証書遺言書の場合、登記申請をするためには検認手続きを経ている必要があります。
自筆証書遺言書が自宅で見つかった場合は開封せず、家庭裁判所に検認の申し立てを行います。
封がしてある遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料が科される可能性がありますので注意が必要です。
なお、法務局に保管申請している自筆証書遺言書については検認手続きは不要となります。
不動産の共有はできるだけ避ける
土地や建物は1円単位で分けられないため、遺産分割が難しい財産です。
そのため、土地を兄弟で共有名義にしようと考える方もいます。
しかし、不動産の共有はトラブルの原因となるため、あまりおすすめできません。
共有の場合、土地を売りたいと考えても共有者の同意がなければできません。
また、共有者のどちらかが亡くなれば再び相続が発生し、土地に関わる人物がどんどん増えていってしまいます。
共有は問題の先送りにしかなりませんので、土地や建物は特定の相続人が引き継ぐようにしましょう。
相続登記は2024年から義務化される
相続登記の手続きはこれまで期限はありませんでしたが、2024年4月から義務化されることになっています。
期限は相続開始から3年で、正当な理由なく期限内に相続登記しなかった場合は10万円以下の過料が科されます。
不動産は相続登記をしないまま放置していると手続きが煩雑になります。
期限の義務化が開始されていなくても早めに相続登記を済ませることが大切です。
相続税の申告が必要な場合は10カ月以内に申告・納付
相続税には「3000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除額を超える場合、相続税の申告・納付義務があります。
相続税の申告・納付期限は相続が始まったと知った日の翌日から10カ月です。
申告・納付が必要な場合は早めに手続きを済ませるようにしましょう。
遺言書を残すと不動産相続もスムーズに
遺言書は遺産相続について被相続人の思いを反映することができます。
特に不動産相続は揉めごとが起こりやすい財産ですので、遺言書を作成しておくと相続トラブルをある程度防げます。
また、遺言書には相続に関するさまざまな手続きについて相続人の負担を軽減する効果もあります。
相続財産に不動産が含まれる場合は、生前に親族で遺産の分け方について話す機会を設ける、さらに遺言書を作成しておくと安心です。