遺言書の効力はいつから発生する?有効期限はあるのか?
遺言書を作成したら、その遺言はいつから法的効力を持つのでしょうか?
このページでは、遺言の効力が発生する時期、遺言に期限はあるのか、遺言書が無効になるケースについて解説します。
■遺言書の効力が発生する時期
遺言書は原則として遺言者が死亡したときから効力が発生します。
ただし、遺言者が遺言で条件を付けている場合は、条件が成就した時から遺言の効力が発生します。
例えば、「孫が20歳になれば、100万円を遺贈する」と遺言書に記載されていたとします。
遺言者が亡くなったとき、まだ孫が未成年であれば孫が20歳になったときに遺言の効力が発生します。
しかし、遺言者が亡くなったときにすでに孫が20歳を超えている場合もあります。
この場合はすでに条件を成就していますので、「遺言者が亡くなった時に効力が発生」します。
■遺言書には有効期限はあるのか?
遺言書に有効期限は存在しません。
遺言者が10年以上前に書いた遺言書でも要式を満たしていれば有効となります。
■遺言者になれる時期
15歳から遺言者になることができます。
通常、未成年者は法律行為を単独で行うことはできません。
しかし、遺言に関しては例外として15歳を迎えれば単独で遺言を行うことが可能です。
その理由として、遺言は本人の意思が尊重されるべき性質のものであること、
遺言の効力が生じるときには遺言者は生存してい
ないため、未成年である遺言者を保護する必要がないことが挙げられます。
注意点として、15歳という要件を満たしていれば誰でも遺言が認められるわけではなく、
遺言を行う際には遺言者が「遺言能力」を有している必要があります。
■遺言書が無効になるケース
遺言書は要件を満たしていないと無効になる可能性があります。
自筆証書遺言が無効になるケースとして代表的な例は以下となります。
①自筆で作成されていない遺言書
自筆証書遺言でパソコンにて作成が認められているのは財産目録のみです。
②作成日がない、作成日が特定できない遺言書
「〇年〇月吉日」というような書き方は無効です。
③署名・押印がない遺言書
一般的には戸籍上の指名を記載します。
芸名やペンネームを記載する例もあります。
④訂正方法を間違っている
訂正方法は訂正箇所に二重線引き、訂正印を押印します。
訂正箇所の近くに新たな文言を記載し、訂正した旨を記載します。
⑤内容が不明瞭
相続の内容が不明瞭だと無効になります。
そのほか、共同で書かれた遺言書や、認知症の方や15歳未満など、遺言能力のない人が書いた遺言書も無効となります。
■遺言書は勝手に開封してはいけない
相続が開始されるとまずは遺言書を探します。
もし、遺言書が見つかって、封がしてある場合、勝手に開封することはできないと法律で定められています。
理由は勝手に開封されると遺言書の内容が改ざんされてしまうリスクがあるためです。
勝手に開封してしまった場合、5万円以下の過料が課されてしまいます。
もし、遺言書を見つけた場合、勝手に開封せず家庭裁判所に検認を申し立てます。
遺言書が開封されてしまった場合でも遺言の効力はなくなりません。
勝手に開封してしまったとしても、
開封した人が相続の資格を没収されることはありませんのでその点は安心といえるでしょう。
ただし、5万円以下の過料を課されるだけでなく、
「遺言書を改ざんしようとしたのでは?」という疑いを親族にかけられてしまいますので、注意が必要です。
■遺言書の効力について知っておくと遺言書の作成もスムーズに
遺言書の効力が発生する時期、また、遺言書に有効期限はないことなどについて解説しました。
効力の時期についてあらかじめ知っておくと、遺言書に条件を付けることを検討することもできます。
遺言書の要件や効力の範囲について不明な点がある場合は、行政書士のサポートを受けながら作成するとスムーズです。
死後に残された家族が相続トラブルにならないよう、しっかりとした遺言書を作成することが大切です。