遺言書の安全な預け先はどこがベスト?遺言書保管制度とは
作成した遺言書の保管場所をどこにするかは多くの方の頭を悩ませています。
せっかく書いても見つけてもらえなかったり紛失してしまっては意味がないですし、
分かりやすい場所に置いておいて改ざんされてしまっては問題です。
この記事では遺言書で考えられる預け先や2020年から始まった遺言書保管制度について解説します。
◼︎遺言書の保管場所
公正証書遺言は原本を公証役場が保管しますので特に悩む必要はありませんが、
自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は自分でどこかに保管しておく必要があります。
*自宅で保管
誰にも預けずに自宅に保管するという方法です。
保管料もかからず、内容を変更したり遺言書を破棄したいと考えた時にすぐにできるというメリットもあります。
一方で紛失してしまったり、最後まで見つけてもらえなかったり逆に家族に見つかって破棄されたり
改ざんされたりしてしまう恐れがあるというデメリットもあります。
*銀行の貸金庫
預金口座を持っている銀行で貸金庫を契約し、そこに遺言書を預けておく方法もあります。
保管料はかかるものの、破棄や改ざんのおそれがなく、確実に見つけてもらうことができます。
*信頼する人に預ける
相続人または相続人以外の人に預けておくことも可能です。
相続人の誰かに預ける場合は遺言で最も有利な財産取得をする相続人に預けるのが一般的です。
不利な財産取得をする相続人に預けると内容を改ざんされたり破棄されてしまう可能性があります。
利害関係のない第三者に預けておく方法もあります。
利害関係がないため、改ざんや破棄の可能性が低くなりますが、
その方が亡くなって連絡が取れなかった場合には遺言書が相続人に渡らない可能性があります。
*遺言執行者に預ける
遺言執行者を定めている場合は遺言執行者に預けるのが一般的です。
遺言執行者は相続人以外の利害関係のない第三者や行政書士などの専門家に依頼するのがトラブルが少なく済みます。
*自筆証書遺言書保管制度を利用する
令和2年(2020年)7月10日よりスタートした「自筆証書遺言書保管制度」を利用する方法もあります。
これは法務局で自筆証書遺言書の電子データを保管するという制度です。
遺言書は法務局で適正に管理され、
相続開始後に遺言書を家庭裁判所で検認する必要がなくなるなどメリットがいくつかあります。
詳しくは以下で解説します。
◼︎自筆証書遺言書保管制度とは
2018年7月に遺言書保管法が成立し、2020年7月10日から自筆証書遺言書を法務局で保管できるようになりました。
これにより、自筆証書遺言を作成した遺言者が公的機関である法務局に遺言書の原本を委ねることができるようになります。
*自筆証書遺言書保管制度のメリット
保管制度のメリットは
・法務局が原本と電子データを預かってくれる
・法務局で形式面の確認がある
・家庭裁判所の検認が不要となる
・遺言者が亡くなった後、法務局での検索により遺言書を探すことができる
などです。
制度の大きなメリットは形式面を法務局で確認してもらえることと家庭裁判所の検認が不要になるという点です。
ただ、注意しておきたいのは遺言書の形式面の確認はありますが、遺言書の内容が適正かまではチェックしません。
きちんとした遺言書を遺すには専門家のチェックを受けながら作成した方が安心です。
*保管手続きの方法
まず、自筆証書遺言書を保管する法務局を選びます。
法務局は以下のいずれかであればどこでも大丈夫です。
1.遺言者の住所地を管轄する法務局
2.遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局
3.遺言者の本籍地を管轄する法務局
これらのいずれかの法務局に保管申請の予約を行い、遺言者本人が法務局に行く必要があります。
家族が代理で行くことはできませんので、施設に入所している場合などは申請を行う事ができませんので注意が必要です。
遺言書と必要書類、申請書を提示し手数料を収め、保管証を受け取って手続き完了です。
◼︎制度を活用して自筆証書遺言書を保管しましょう
遺言書は安全に保管し、死後確実に見つけてもらう必要があります。
保管制度が出来たことで自筆証書遺言書は確実に保管され、相続手続きも楽になります。
制度を活用して、遺言書を安全に保管しましょう。