遺言書を無効にしたい場合の3つの方法と調停・訴訟の申し立て費用
遺言書がある場合、基本的には遺言書の通りに財産の分割を行います。
しかし、遺言書の内容に納得がいかないという場合には、遺言書の無効の主張が可能です。
今回は、遺言書無効の申し立て手続き、費用などについて解説します。
遺言書を無効にしたい場合の3つの方法
相続人間での話し合い(遺産分割協議)
遺言書を無効にしたい場合はまず、相続人、受贈者間で話し合いを行います。
相続人、受贈者全員の合意があれば、遺産分割協議で遺産分割を成立させられます。
調停
相続人間での話し合いで合意できない場合、申し立てを行い調停や訴訟を検討します。
遺言書無効確認の場合、訴訟を提起する前に調停を経る必要があり、原則として訴訟よりも先に調停を申し立てます。
調停では家庭裁判所で調停員が仲介者となり、合意点を模索します。
訴訟
調停で合意に至らなかった場合、地方裁判所に遺言書無効確認訴訟を提起します。
訴訟では原告と被告が互いに主張と立証を重ねていき、裁判官により判断がなされます。
なお、訴訟のなかで、お互いに合意点が見つかれば和解する場合もあります。
遺言書の無効を申し立てる場所
調停の場合
当事者間で決めた家庭裁判所または相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
訴訟の場合
被相続人の最後の住所地もしくは被告の住所地を管轄する地方裁判所、当事者間で決めた地方裁判所に申し立てます。
遺言書の無効申し立ての期限
遺言書の無効を主張する際は特に期限は設けられていません。
訴訟の内容によっては遺言書に従って行われた遺産分割をあとから変更することになる場合もありますが、相続開始から時間が経過していることに関しては特に考慮されません。
しかし、時間が経過すればするほど、遺言書の無効を立証するのが難しくなっていきます。
遺言者の当時の状況を知る人が減ったり、筆跡を示す書類も処分されていたりする可能性が高いためです。
そのため、特に時効は設けられていなくても早めに訴訟を起こした方が良いとされています。
一方、遺言書によって法定相続分を大きく下回る財産しか引き継げない、あるいは自分への相続分がまったくないという場合に起こせる「遺留分侵害額請求」は、原則として相続開始から1年以内に起こさなければなりません。
遺留分侵害額請求には時効が設けられていることは注意しておきましょう。
遺産分割調停の申し立て費用
遺産分割調停の申し立て費用は以下のようになります。
専門家に依頼する場合は別途料金がかかります。
申立手数料
遺産分割調停の申立手数料は1,200円です。
1,200円分の収入印紙を申立書に貼付して納付します。
予納郵券
連絡用の郵便切手として数千円程度の郵便切手が必要です。
調停手続きで遺産の範囲や内容を調査する必要がある場合、公的機関や金融機関に対する調査嘱託の申し立てに対し、別途往復の郵便費用がかかることがあります。
遺言書無効確認請求訴訟の費用
遺言書無効確認請求訴訟は民事訴訟のため、費用がかかります。
以下でご紹介する費用のほかに専門家に依頼する場合は別途費用がかかります。
訴訟では原告は何らかの利益を主張することになります。
この利益を金額として見積もったものが「訴額」です。
訴額が分かったら「第一審訴え提起手数料(収入印紙代)早見表」で手数料額を確認します。
例えば訴額が1,000万円の場合、手数料額は50,000円となります。
手数料は収入印紙で支払います。
加えて訴訟手続きに使う郵送料を切手または現金で支払います。
必要金額は裁判所ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
トラブルが起こらないような遺言書を作成することも大切
遺言書に納得がいかず、相続人間の話し合いでは解決できない場合は、調停、訴訟を申し立てられます。
遺言書は相続が始まって遺族間でのトラブルが起こらないように、内容を十分配慮することも大切です。
また、生前から家族間で財産の分配方法について話し合いをしておくと争いを避けられる可能性が高くなります。